腸チフスのメアリー

今から100年以上前、 “Typhoid Mary”「腸チフスのメアリー」と呼ばれ、「健康保菌者」の概念を生み出したエピソードが始まりです。メアリーが働くところ働くところで腸チフスの感染者が報告されました。保健局はメアリーが感染源であると疑い、メアリーの検便検査を実施したところ、腸チフス陽性と判定されたのです。ところがメアリー自身は、これまで腸チフスを発症したことがありませんでした。つまり保菌者であるという自覚が無いまま周辺の人々を感染させる健康保菌者だったのです。

このように、健康保菌者からの二次汚染が原因とみられる集団感染は現在でも多く発生しています。これらの感染を防止するためにも、調理従事者の衛生管理が重要なのです。

事業案内: 臨床検査 - 微生物学的検査(腸内細菌検査)

検便検査の実施義務

様々な法令やガイドラインで検便検査の実施義務が定められています

  • 食品取扱従事者
  • 学校給食従事者
  • 保育園従事者
  • 水道事業従事者
  • 模擬店

食中毒の発生が疑われる場合どうしたら良い?

最寄の保健所やかかりつけ医師にまずご相談ください。一早く診 断を確定し、適切な対症療法を行うとともに感染経路を調べ、感 染の拡大を防ぐことが重要です。 食品取扱従事者が感染した場合は、EHEC(腸管出血性大腸菌 感染症)については法的な就業規制がかかりますが、それ以外 の菌による感染の有無が確認された場合もできる限り出勤させ ないようにしましょう。特にノロウイルスの場合、回復後も一週間 から長い時は一カ月糞便中にウイルスが排出されますので注 意観察が必要です。ノロウイルスに家族が感染した場合も本人 が感染していないことを確認するまで、できる限り食品を取り扱 う仕事に従事しないほうが良いでしょう。